ええじゃないか、ええじゃないか

「池田屋チェックイン」

作・演出:浅沼晋太郎

アクション・アクロバットコーディネート:NAO-G

演出補:伊藤マサミ

舞台監督:虎川英司+鴉屋 大友圭一郎

振付:TETSU(Bugs Under Groove)

歌唱:新良エツ子(てらりすと)

出演:中河内雅貴

   荻野崇、小田井涼平、根本正勝、杉本有美、押野大地、あべこ、平山藍里、

   原嶋あかり、金井千佳、伊勢直弘、谷口賢志、猪狩敦子、伊藤マサミ、NAO-G、

   浅沼晋太郎、正岡泰志、大河内浩


タイトルの通り、池田屋事変を中心とした物語だったんだけど、まずジャケットやパンフを一瞥して思ったこと。

「なんで坂本龍馬ネックレスしてんの!?なんで吉田稔麿ロッカーなの!?何時代!??」


純粋な時代劇じゃないことは一目瞭然でした。(笑) よく見たら佐那さんとかもピアスつけてるし、おゆうちゃんはコサージュついてるし、稔麿さんと宮部さんはジャケットみたいな変な着物着てたりするし、沖田は着物に缶バッチついてるし、原田さんなんてもう意味不明だし(笑) 正直時代物なのにネックレスとかついてんのは邪道なんじゃないかと思ったんだけど、そういう現代風のアレンジを加えた作品なんだろうと、観る前から頭ごなしに否定するのはよくないと思って、とりあえず観ました。まあ、結局観ても、なんで衣装の面で現代風なのかは分からなかったんだけど、ストーリー自体はまじめなもののコメディ色が強くて、まあ華やかでいいか、と。(笑)


最初のちょっとした受け入れがたい衝撃はあったものの、内容はとてもよかったです。衣装とかもうどうでもよくなるくらい。面白かった。

ボケ要員とツッコミ要員がいて、まあほぼボケで、ツッコミは主に伊勢さん演じる稔麿さんと谷口さん演じる藤堂平助がしてたんだけど、いやあ大変そうだった。周りの人間ボケまくるボケまくる(笑) 特に面白かったのは桂さんが龍馬に自分の存在に気づいてもらおうと必死にアピールしてるところと、おれんちゃんの強さを計りかねているときに沖田と新選組間で奇跡の会話が成り立っていたところかな。これは観てもらわないと伝わらないけど、とにかく面白かった(笑) 書いている今も思い出し笑い。2回目は親友ちゃんと一緒に観たんだけど親友ちゃんも随所で笑ってた!ふだん舞台観ない人(まあわたしもそんなに観てるわけじゃないけど)も普通に楽しめると思う!


主演は坂本龍馬役の中河内くんなんだけど、なんだろう、倒幕派と新選組の面々が色濃すぎてそっちばっかり印象残る。。(笑) 立ち位置は、対立する倒幕派と新選組の喧嘩を止めようと色々邪魔する、いわば中立的立場の龍馬と桂さんとその他もろもろ、だから、まあ中心にいるっちゃいるんだけど、なんだろな~、わたしの感じ方の問題?まあ要所要所でおいしいとこ持ってくから、そういう意味では主人公らしいんだけれども。


個人的な感想。桂小五郎役の押野大地さんと、近藤勇役の小田井涼平さんのお芝居がなんかすき。素敵。押野さんは、稔麿さんと宮部さんを説得?諭す場面での話し方、たとえば声の抑揚とか、言葉尻とかが特徴的で、桂さんはこういう人物なんだ、っていうのがそれだけで伝わってくる。あとどこか中性的な身体の動き。(笑) そういう真面目な場面はもちろん、龍馬に存在アピールしまくるところでのおふざけ感が最高。もう笑える笑える。(笑)


小田井さんは、新撰組局長である近藤さんの絶対的な強さというか、存在感というか、包容力というか、大きさが感じられた。そのくせ一人では決断することができなくて土方さんに頼っちゃう優柔不断っぷりがキャラクターのギャップとしてて生きてて、面白かった。土方さんの我儘も黙認しちゃって、それが藤堂にバレてもすぐ認めちゃって、ほとんどがそういう柔軟…は良く言い過ぎか?(笑) なんというか、ちょっと情けない部分が全面に出てるんだけど、だからこそ、ラストシーンの「お前の腸など見たら寝覚めが悪い!」って藤堂を戒める言葉がとても格好良かった。わ、局長だ!やっぱこの人は局長だ!って。

あと、小田井さんはね、顔がすき。(笑) パンフの写真がもう、なんかもう、何、何この強そうで優しそうでかつエロい表情は。(笑) 「小田井さんの顔すき」て親友ちゃんに言ったら「えー!?」て言われた。何じゃい。親友ちゃんは顔で選ぶなら(もちろん中河内くん抜きで)土方役の萩野崇さんだそう。案外渋いのがお好みで。


特典映像のbpmの対談で気づいたんだけれども、ラストシーンの藤堂の台詞がものすごく感慨深かった。沖田がトイレでクワガタを見つけて、甲子太郎って名付けるんだけど、袂に入れてたら藤堂を切るときに腕を挟んできたから藤堂を仕留め損ねて、その反動で甲子太郎を潰しちゃった。(この舞台では謀反しようとした藤堂を沖田が切りつけるという流れにアレンジされてる。)結局、藤堂は新選組、もとい近藤局長についていくことを再び決心するんだけど、龍馬に「気は変わりそうにないがか」と尋ねられて、「そうですね、気が変わるとしたら、それは命を助けてくれた彼に再び会えた時ですね」って言い残していく。

甲子太郎は、ここではクワガタの名前なんだけど、後に新選組に現れる伊東甲子太郎の名前で、新選組は近藤派と伊東派(御陵衛士)に分裂したとき、藤堂平助は伊東派につくの。つまり、甲子太郎に再び会えた時、気が変わる。近藤についていくのを辞めて、伊東についていくことに決める。うわああああ甲子太郎―!!(笑) これ続編とかできるんじゃね?油小路の変の話できるんじゃね?と思ったけど、それだと主役が変わるわ。(笑) どうでもいいけどさっき伊東派って打ったら予測変換で伊藤ハムって出てきて一瞬戸惑った。


とりあえず面白かった場面書きだしてみる。観た人しかわからない。


・宮部「有名なりたかーゆうてやっとるんじゃなかろーもん」軽くスキップ(笑)


・おゆう「4名様どすな。聞いとります~」

 藤堂「うそーん」


・緊張感皆無の沖田と、「だって心配なんだもん!」と無理やりついてきた土方さんと、

 それを黙認していた近藤さんという散々な状況に、藤堂の痛恨の言葉。

 「私だって今すぐにでも踏み込みたい!でもなんだろう!……なんかちが~う!

  私が想像していた出撃とは大幅に違う!」

 で、その後の沖田による藤堂の真似。「大幅にちが~う!」(笑)


・宮部さんの「うん!うん!」


・龍馬が部屋に乱入してきて、正体不明の龍馬に稔麿さんたちが警戒しているとき。

 宮部「主は…こぶ取り爺さんの話ば知っとうか?」

 龍馬「知っちょるがあれはおかしな話じゃ。本当じゃったらこぶ取られ爺さんぜよ」

 宮部「稔麿くん聞いたね~!?」

 龍馬「舌切り雀っちゅうのもおかしい。舌切られ雀っちゅうなら分かるんじゃがのう」

 宮部「とし・まろ・くん!どうね!」

 稔麿「着々とまずい展開になっちょります」


・新選組と倒幕派のご対面。お互い刀を構えて一触即発の空気。

 稔麿「おい、お前!アレを見せちゃれ。こいつらの度肝を抜かせるんじゃ!」

 龍馬「はっはっはっはっは、これはこれは趣深い」

 稔麿「ちがーーう!!」

 龍馬「え!?」

 稔麿「この期に及んで物真似見せてどないするが!」

 龍馬「だって見せてやれっちゅうが!」

 土方「何だったんだ今のは」

 近藤「ある意味では度肝を抜いたな」


・桂「かっつらがいるよ♪かっつらがいるよ♪」


・桂「桂がお手伝い!」


・桂「ただ一つ残念なのは、坂本くんが僕の存在に気づいてくれないところでしょうか」


・桂「はっはっは、趣深い」

 龍馬「はっはっは、趣深い」

 土方「一体何のマネだ」

 龍馬「桂さんのマネ」

 土方「そっちじゃねえ!このガキのことだ!」

 からの、沖田の物真似合戦(笑)


・藤堂「ここの熱燗は人肌じゃないのか!」


・土方「総司はどこ行ったって聞いてんだ!」

 宮部「沖田は坂本ともだえて出ていきよった!」

 佐那「…え?」

 土方「もだ…もだえて…?」

 宮部「もだえて出ていきよったところばい!」

 土方・佐那崩れ落ちる。

 稔麿「宮部さん、あんたの肥後訛りが大打撃を与えているようです」

 土方・佐那「さーかーもーとおおお!!」

 稔麿「しもた!戦闘力まで上げてしもうた!」


もっとあるけど、割愛。(笑)

あ、あと、原嶋あかりさん演じるおれんちゃんがかわいすぎた。ぴょんぴょん飛びながら必死に刀を鞘から抜こうとしてるところが可愛くて可愛くて。139センチて!かわい! 

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