「THE ALUCARD SHOW」
構成・演出:河原雅彦
振付:MIKIKO
出演:松下優也
平間壮一、植原卓也、橋本汰斗、加藤真央、岡本晋吾、横尾瑠尉
酒井敏也、高田聖子、真琴つばさ ほか
会場:AiiA Theater Tokyo
8月9日に観に行ってまいりました。夏休み初日!一般で取ったから席は7列目だったけど4列目くらいから勾配があって観やすかった~。
No.721に引き続き、中河内くんの出ていない舞台。黒執事観劇後、松下優也くんの歌声にはまってるときに出演を知って、歌とダンスがあるという点にものすごく惹かれて観劇を決めた。あと植原卓也くんが出るのと、MIKIKOさんが振付ということも決め手になった。
内容はHPを見てもいまいち分からなくて、ほんとに観てのお楽しみっていう部分が多かった。ダンスユニット?ドラキュラ?なにそれどんな話なの??って。だから内容に関しては特に期待もなく、ただ歌とダンスを楽しみに行ったんだけど、ストーリーも演出も、歌もダンスも大満足で、なんかもうずっとずーっと楽しかった。
高田聖子さん演じるサラはこの作品における緩和剤で、観客に一番近い存在だと思う。彼女がいることで、観客である私たちもアルカードのファンになれるし、物語に参加してるような感覚になれる。アルカードショーはコメディとか喜劇ではないから、こういう存在の必要性をものすごく感じる。シリアスな舞台で緩和剤がない作品はずっと苦しい。たとえば地獄のオルフェウス。これはないからこそいい作品だけど。黒執事のスコットヤードの警部たちしかり、アルカードショーのサラしかり。束の間の休憩というか、でもないと物足りなくなるもの。フレンチのコースのパンみたいな存在。
ひとつひとつが見せ場であるし、緩和剤であるサラの一人語りのシーンも作品の雰囲気を壊さず笑いをとっていく。そのサラがアルカードの罠に巻き込まれていく展開はまさにラストスパート。そこに笑いはない。劇場中を緊張と興奮が支配する。
歌とダンスがあるけどミュージカルじゃない。前代未聞!究極のアート×ホラー×エンターテインメントショー!とHPに書いてて、歌とダンスとお芝居があるならミュージカルじゃないの?って思ったんだけど、観てわかった。アルカードショーは物語の根底に芝居があるけど、ダンス、歌がそれぞれ独立したパフォーマンスで、ひとつひとつがエンターテイメント。だから全部を観終わったとき、ものすごい充実感が残る。おなかいっぱい。でもまた観たいと思わせる。だから公演後、残りの公演のチケット販売には行列ができていた。わたしもお金の問題さえなければ絶対また観に行ってた。(笑)
ミュージカルでもなく、ダンスショーでもない。ましてやストレートプレイやコンサートでもない。でもアルカードやマリアの歌のシーンは本当に彼らのコンサートに来ている感覚になるし、アルカードの登場シーンでの一人一人のダンスはダンスショーを観に来た感覚になる。芝居もとってつけやおまけなんかではなく、登場人物たちはそれぞれの意思を持って物語を駆け巡っていく。過去を振り返るように“現在の”マリアたちが物語ることで、テーマパークのアトラクションに参加している感覚にも陥った。まさにエンターテイメントショー。
河原さんがパンフのインタビューでおっしゃっているように、多方面で活躍する若手俳優たちと、どっしり支えられるベテラン俳優のバランスがとてもいい。ベテランの3人はさすが安定していてとても安心するし、若手のアルカードは一人一人が個性、自分の強みを余すとこなく魅せていて新しい。まるで突然現れたアルカードのごとく。
驚いたのは小道具。ナイフが刺さっているように見せるのはなんとなく分かるんだけど、ナイフで刺されたとこや、銃で打たれた瞬間そこから血が出てきたり、殴られている間にいつの間にか血だらけになっていたり、どうやってるんだろう?しかも、毎公演衣装汚してるから取れやすい液体使ってるのか衣装替えてるのか知らないけど大変だよね。でもそういう生の演出があるからよりリアルで緊迫感があって魅入られた。植原くんが口から血を吹き出すの上手かったなあ。
映像の演出も多彩でとっても効果的に使われていたと思う。街中やラストのアルカードたちが死んでいくときの映像もだけど、カウントダウンとかコウモリとかがアトラクションっぽくて世界に入っていきやすかったし、幕も映像だと途中まで気づかなかったくらい綺麗だった。とことん演出にこだわってるんだなあって感じられる、作り込まれた作品だった。
最初、マリアがコンサートで歌ってて、女性にしてはハスキーな(まさにタカラジェンヌっぽい)お声の真琴さんだけど、歌声は女性の良さを押し出した力強いもので、長年愛されてきたトップスターの威厳のようなものが遺憾なく発揮されている。女性ダンサーの方たちも含め、女の世界って感じだった。
そして突然登場したブラドの歌は新鋭的で現代的なナンバーで、松下くんの男性にしては高めの歌声にぴったりだった。ダンサーはアルカードたちで、スタイリッシュな男の世界。
その白と黒の対比が相対的で、白から白黒(トップで歌うマリアとバックで踊るアルカード)へ、そして一気に黒へと世界が変わる。ブラドの登場によってアルカードの誕生が刻一刻と迫り、ブラドが現れた瞬間、アルカードたちは使命に導かれたように、必然のようにブラドの元へつく。(この場合“帰る”でもいいかもしれない。)まるでマリアが光の舞台から闇に堕とされる様を視覚的に表わしているようだと思った。
ダンスやっぱり素敵だった!植原くん格好良すぎてガン見してた。細身で背が高くて手足が長くて、キレがいい。アルカードの中でもメインで踊るだけあって、上手い。黒執事のときも思ったけど、MIKIKOさんの振付好きだわ。見てて楽しい。思わず踊りたくなるダンス。アルカード出てるシーンではほぼ松下くんと植原くん見てた。(笑)
知ってるのは松下くんと植原くんと真琴さんだけかなと思ってたんだけど、酒井敏也さんてあの人じゃん、よくドラマ出てる人じゃん!お名前知らなかった。。なんかあの顔と声めっちゃ知ってるんだけど!て思ってた。(笑) あと高田聖子さん、なんかどっかで見たことあるなあと思ってたら、死ガ二人ヲワカツマデに出てた人じゃん!映画はわりとシリアスだったから、一人語りで笑いを取っていく高田さんとリンクしなかった。(笑) コメディうまいなあ。
客席降り、というか客席から登場するのが2回くらいあったけど、植原くん反対側でちょっと残念だった。(笑) アルカードメンバーは松下くんと植原くん以外存じ上げていないので。。酒井敏也さんはめっちゃ間近で見たよ。
わたしが行った日はアフタートークショーの日で、司会の方とブラド役の松下くんがアルカードメンバーにインタビューするという体で行われました。アルカードたちは喋らないので、筆談。どうなるかと思ったけど絵描いたりしてて面白かった!植原くんラインのスタンプの絵うますぎ。(笑) キャストさんたちの仲のよさとか舞台裏の雰囲気とかわかって楽しかった(*^_^*)
もらったフライヤーの中に、「動物アレルギーのある方は~」っていうチラシが入ってて、何使うんだろう、コウモリの鳴き声(?)とかかなと思っていたら、羽根だったのね!すてきな効果でした。記念にもらって帰ってきた。(笑)
ほんっとに何回も観たくなる舞台でした。やっぱ東京はできるだけ2公演ある日に観に行くのがいいな。マチネ観て、また観たくなったらソワレのチケ取ればいいんだから。神様の観覧車もそうしたし。別の日にまた行くなんてできないしね‥交通費的な意味で。
一応アンケにDVD化希望って書いたけど無理だろうな。DVD化する作品はたいてい劇場で予約販売してるし。ああーーー。いや、うん、しょうがない。楽しかった。細かくは無理でも、できるだけ覚えておこう。そのためにこうして感想書いてるんだし。そう、この感想は自分で後で読んで公演を思い出すためのものです。(笑)
開演前にトイレ行って洗面台のとこにうっかり指輪を置き忘れてしまって、公演終了後に気づいたんだけどトイレになくて。。ダメ元でスタッフさんに聞いてみたら届いてた!届けてくれた人の温かさに感謝。東京にもいい人いるなあ。やっぱ日本だね。
最近舞台やドラマを観ていて、あっあのときの!てなることがままある。アルカードショーの高田聖子さんもそうだし、こないだミュージカル黒執事の1作目をまた観たら、メイリン役の猪狩さんとアバーライン役の伊勢さん、池田屋チェックインに出てらした。あといま山田くんと7人の魔女みてるけど、井出卓也くんや真山明大くんや加藤良輔くん出てるし!小林涼子ちゃんと美山加恋ちゃんも出てるね。美山加恋ちゃん去年神様の観覧車で観たけどめっちゃかわいかったよ。なんかそういう発見も楽しくていいよね~。あのときはああいう役だったけど、今回はぜんぜん違う役!とか。。
いままで中河内くん出演作品だけ観に行ってたから2,3か月に1回程度だったけど、6月黒執事、7月No.721、8月アルカードショー・BDパーティ・宝塚BOYSと、さすがに使いすぎた。。もうほんと金欠。(笑) 今回みたいに中河内くんが出てない作品も気になるのいっぱいあるし、できればたくさん観たいけど、金銭的にもたないので我慢がまん。。
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